コミティア145に参加しました

 一次創作でコミティアに初めてサークル参加をしました。
 創作といえば二次創作一辺倒で、自キャラを作って遊ぶといった習慣すらなかったのですが、一次創作も描けるんじゃないか? と思った時点で参加の予定を立てました。
 そう思ったのは二次創作を経て話づくり、人物絵、素材を使った背景の埋め方、それぞれがまあまあいい感じにできるようになっているという自己評価があったからです。
 いつも数年前に比べて今が一番上手いという自己評価があります。
 二次創作でそう思う感覚を一次創作でやるとどうなるのか、数年後見返すために今から一次創作を始めました。

 一次創作をするにあたって、絶対的に描きたいモチーフは特にありません。
 一方で嫌いな表現はたくさんあります。嫌いなものを描かないようにするだけで、方向性は自ずと決まっていきました。
 どんな創作においても、自分は成人同士で性的同意のある話だけを描こうと決めていました。
 それをストレートに設定にして「千八百夜のスローステップ」のあらすじやキャラクターができました。

 その後サビである場面も浮かんでいましたが、申し込みは済んでいるというのに焦りも生まれずだらだら過ごしてしまいました。別に見せたい相手も見たいという相手もいない一次創作は描かなくても誰も困らないからです。
 原稿期間は2ヶ月ありましたが、その間に「ゴーストリック」「パラノマサイト」を買ってクリアしました。FGOの「サバフェス2023」と「ピクミン4」もちょっと遊んでます。原稿よりゲームの方が楽しいに決まってますからね。
 こうなることは分かっていたので、手は打ってありました。イベント当日の売り子を友人に頼んであったのです。
 コミティアから落選なし、申込みをした全員にスペース確定!のメールが来て、友人を頒布物のない机の前に座らせるわけにはいかないと、ようやくプロットを完成させ作画を始めました。

 一次創作のキャラクターは誰も設定画を持っていないので、後ろ姿は描けないし、どんな私服を持っているか分かりません。手探りしながらどうにか本文を終わらせ表紙を描いている時ですら、いまだに「知らない人達がいちゃついてる絵だ……」と思っていました。
 2ヶ月経ってすべての作業が終わり、話の起承転結と彼らの後ろ姿と色設定が分かって、やっと少しの親しみが生まれています。ひとつの原稿が出来あがってあの世界が閉じたものになったことを観測して、やっと彼らをキャラクターとして認識できたのかもしれないです。

 どうにか一本の話は描けましたが、思っていた一次創作とはだいぶ違いました。
 自分は完全ファンタジーを描くものだと思っていたし、攻めは真面目で誠実な青年の予定でした。
 実際は現代ファンタジーだったし、攻めも今思うと根は真面目だが表層に可笑しみが浮き出た子になったと感じています。
 ですが自分に思いつきを一本の話にする力はあることが形になったことは幸いです。
 自分にとって一次創作は大喜利だと感じました。テーマに対して自分ならこんな設定にしてまとめてみる、という大喜利であれば、今回はまぐれということはなく次もできるだろうと思います。
 2月のコミティアでもう1冊、このペースで描いていって3年後くらいに再録集を出して俯瞰で眺めたいというのが今の目標です。

 

 ※この文章は2023年9月4日に書いたものです。